社団法人 日本競輪選手会
一般社団法人 日本競輪選手会

平成27年度事業概要

 平成27年度の我が国の経済は、新興国経済の景気減速、個人消費及び民間設備投資の回復に遅れが見られるなど外・内需ともに弱い動きとなっており、依然として景況感の好転を実感できるには至っていない。

 景気回復の足取りに依然たどたどしさが残る中、競輪事業を取り巻く状況は改善しつつあり、昨年度は23年振りに車券売上が増加に転じるなど明るい兆しが射し始めてきた。本年度も売上向上の施策として、お客様が「いつでも、どこでも、手軽に」車券を購入できるよう競輪ネットバンクサービスの拡大やモーニング競輪及びミッドナイト競輪の開催、場間場外発売の拡充を図り新規顧客の獲得や潜在的利用者の掘り起こしを関係団体とともに推進してきた。その結果、車券売上高は前年度比102.4%の6,308億527万900円となり2年連続の増加となった。

 今後も更なる売上向上と来場者促進のため、平成28年度の特別競輪等については日本選手権競輪、オールスター競輪をそれぞれゴールデンウィーク、お盆時期に開催するとともに、ウィナーズカップ(GU)を新設することが決定した。また、競輪関係団体が一丸となって事業改善を推進していくことにより、競輪を発展させていくことを目的とした「中期基本方針策定作業委員会」や将来の競輪像を描きながら更なる活性化を図るため「競輪活性化委員会」が設置され、本会はこれらの会議で積極的に意見を具申した。

 このような背景の下、平成28年度の賞金交渉が行われ、本会は車券売上高が平成26年度以降連続して増加していること、施行者の収益改善に資する諸施策に協力してきたこと等を全輪協に訴え、処遇改善を求めて賞金の増額改正を要望した。しかし、全輪協は施行者の収益は改善しつつあるが、FT・FUの収支状況は依然として厳しいこと等を主張し、交渉は膠着状態が続いた。そうした中、賞金交渉が長引くことによる業界への影響を考慮し、中立的な立場にある経済産業省より裁定が行われ、平成29年度以降の選手賞金の増減の枠組みを本会、全輪協及び経済産業省の関係者間で整備し遵守することを前提に、平成28年度の選手賞金は平成27年度の選手賞金と同様とすることで合意に至った。

 平成28年度の開催枠組については、初期あっせん月最低2本最高3本の確保を念頭に置き、関係団体と調整を行い、年間19節58日開催から各場がFグレード開催を4節削減し、15節46日とすることが決定した。この決定に当たっては、付帯事項として平成29年度以降の開催枠組は15節46日を基本として維持していくことが盛り込まれた。

 競走用部品については、平成27年6月の取手記念においてフレームの肉厚検査が実施された結果、メカニコ・ジロ社製のフレームから基準を下回る肉厚0.5mm未満のものが数台発覚した。本会はJKAの要請により同社製フレームの全台検査に協力する一方、JKAに対して再発防止策の検討を要請した。

 選手指導については、競技における公正安全の確保を目途に落車事故防止対策及び審判判定の統一に向け競走秩序の維持を図るとともに、日常生活においてはマスコミ等を賑わす不祥事があったことから、社会的責任の自覚を促すべく、各種研修会、諸訓練等を通じて指導啓もうを行い、選手のモラル向上に努めた。

 競技活動は、自転車競技の普及及び振興に寄与することを目的に、第62回全日本プロ選手権自転車競技大会トラック競技を5月に別府競輪場で実施し盛会裏に終了、多くの方々に自転車競技の魅力と迫力を存分にアピールした。また、本年度は平成28年8月に開催されるリオデジャネイロ・オリンピック出場枠獲得に向け、世界選手権を始めワールドカップ等国際大会への選手派遣について積極的に協力した。その結果、男子ケイリン、男子スプリントの2種目で出場枠を獲得するところとなった。

 組織整備については、会員数の急減等本会を取り巻く環境の変化を踏まえ、組織の円滑な運営を図ることを基本として、「組織機構改革検討委員会」において時代に適応した支部のあり方について検討が重ねられた。その結果、会員数30名未満となる支部の統廃合の取り扱い及び支部役員手当の是正に関し答申が行われ、それぞれ理事会・支部長会において承認された。

 これら諸事業については、諸会議・各種研修会において説明し理解を求めるとともに、機関紙「プロサイクリスト」及び本支部間のPCネットワークを通じ、会員への周知啓もうに努めた。